クルマがある生活

クルマがあると、生活の幅が広がる。たぶん10倍くらい広がる。

妻と同居しはじめたとき、彼女は車を買い換えたばかりだった。私たちが住んでいるマンションはそれなりに都心なので、駐車場代はかなりの金額になるのだけど、だからと言って買い換えたばかりのピカピカの新車を実家に置いてくるように言うのはあまりにも亭主関白すぎるし、給料の中でなんとかやりくりできるので、思い切って置くことにした。

 

それから2年近くになるが、もう今ではクルマなしの生活は考えられず、手放せなくなってしまった。

 

走行距離は2万キロをすでに突破。仕事では一切使っていない中でこの数字は立派だと思う。週末はたいてい乗っているような気がする。

東京に住んでいる限り車は不要だ、という話はよく耳にするし、今住んでいるところは最寄りの駅まで5、6分だし、新宿駅も徒歩で行ける。なので、生活する上で必要ということはない。

でも、クルマがあると、終電を気にせず移動できるし、雨風をしのげるし、荷物はたくさん載せられる。そして何より、行動範囲がぐんと広がる。

首都高へのアクセスがよいので、1時間も走らせればそれなりに遠いところにも行ける。羽田空港やディズニーまで40分もあれば到着するし、木更津のアウトレットも45分くらいで着く。昨日だって、都心ではすでに散り始めた桜を観に、夜に幸手までふらっと行ってこられた。

 

郊外に住むと車はマイナスをゼロに引き上げる生活必需品である。でも、だからといって、誰もがそうだと思い込み、その範囲でのみ使う必要はないはずだ。少なくとも都内に住む私にとって、クルマはゼロをプラスに引き上げる、魔法の道具だ。