「人混みはもういい。」朝起きてから妻と私が発した言葉だった。
昨日のピークトラムの行列と人混みに相当やられた二人。そして初めての地で過ごした3日目。疲れもたまってくるころだ。
とはいえ、香港で人がいない観光地なんてあるのかしら。そう思い地球の歩き方をペラペラめくってみると、香港島の向こう側に行けば楽しそうなところがありそうではないか。
ところが2人とも、もう体力がない。中環あたりまで行ってそこからバスに乗り換えて。。。って、無理だ。そもそもバスに乗って、目的地で無事に降りられる保証はない。海外でバスって、難易度高いと思うのは私だけでしょうか。。。
ほかに何かないかな、と読み進めていくと、香港湿地公園(公式はこちら)というマイナーそうな観光地を見つけることができた。尖沙咀から地下鉄で行けるみたいだし、ここなら移動時間もそこまで取られないだろう。そういうことで、香港湿地公園に行ってみることにした。
地下鉄で天水園という駅まで30分弱乗り、そこから軽鉄という路面電車みたいなものに乗り換え。軽鉄の車窓からは香港の住宅地が見えます。
高層マンションもたくさんあります。
香港の住宅は基本的に高層マンション。シンガポールもそうですね。東京がいかに低い建物だらけかよくわかります。東京では地震に耐えなければならないということもあると思うけど、日照権の問題や、戸建てを好む国民性などがあって、土地の高度利用がうまくなされなかったのかもしれない。まあ、そこが悪いといいたいわけではなく、むしろなだらかな光景が広がることになったことを幸運と思ったほうが良いのかもしれない。
軽鉄に10分くらい乗っていたかしら。湿地公園という駅で降ります。
天水公園駅から歩道橋で道路を渡ります。右のほうに小さく見えるオレンジ色の屋根が湿地公園のホーム。歩道橋を降りて左手の歩道をしばし歩きます。
やっと着きました。入口は地味。
ムツゴロウらしき置物がお出迎え。
入場料を支払い、中に入ります。ビジターセンターらしき建物を抜け、ぐんぐん奥のほうに進むと、湿地が広がります。
湿地の向こうに香港の住宅街が見えます。東京ではタワーマンションに住むのがひとつのステータスになりつつありますが、こちらではごく普通のことなんでしょう。
ここまでくると空気も心なしか少しきれいになった気がします。でも東京よりなんだか汚いような気もします。
湿地といえば、水鳥です。この子は水鳥ではないと思いますが、私たちをお出迎えしてくれました。
ここまで観光客はあまりいません。日本語なんか一切聞こえてきません。やっと海外にきてゆっくりと過ごしている実感がわいてきます。
シダ類かなにかの植物。湿地に現生する植物についていくつも解説の看板が立っていました。残念ながらあまりよくわかりません。でも感じなので言いたいことの1割はわかったつもりでいられます。
途中、小さな小屋があります。どうやらそこでは飛来してきた渡り鳥を観察することができるようで、とりあえず中に入ります。
すると、そこには高そうな一眼レフを構え、無言でシャッターを切る男たちの群れが。皆必死に水鳥の姿を捉えています。尖沙咀の喧噪から離れ、約40分で足音一つ立てることさえ許されない静寂の空間にたどり着けるなんて、本当に想定外でした。
周りが一眼レフで撮っている中、私はスマホでパシャリ。
ゆっくりと2時間弱ほど散策して、とてものんびりした気持ちになれました。
さて、香港での最後の夕食は、中環で飲茶をすることに。
ヒルサイド・エスカレーターをぐんぐん登っていきます。
右上の橋脚がエスカレーター。
行きたかったのは、鼎點1968というお店。トリップアドバイザーでそこそこの評価だったので、物は試しという感じでご入店。
店構えはこんな感じ。
中はそんなに広くなく、10人も入ったら満員になっちゃいそうな感じ。
とりあえずエビ水餃子やらなにやらいろんなものを頼みます。マーラーカオは必須です。
小籠包もいただきます。大き目で肉汁たっぷり。おなかいっぱいです。
飲茶を堪能して、香港最後の夜は終わりました。
4日目 帰国の日
ホテルのブッフェで朝食をすませ、早々に香港国際空港に向かいます。
帰りは電車で行きました。4日間いると香港の券売機で切符を買えるようになるのですから不思議です。でも、どうして20ドル札が券売機であんなにはじかれるのか。おかげで、もう少しで現金が足りず空港までたどり着けないところでした。偽札だったのかな。。。
空港についてからは、お土産を購入し、ランチを兼ねてオープンしたばかりのアメリカンエクスプレスのプラチナのラウンジでゆっくり過ごします。
イケメンの兵隊長が出迎えてくれます。
ドリンクは右手のバーカウンターで、フードは右奥のカウンターでビュッフェ形式で好きなものをとって食べることができました。もちろん無料です。
高額な年会費を払っていることを考えると、少しでも回収してやろうと意地汚い自分が出てきてしまいます。そうさ、この高額な年会費はつかの間のセレブ感に浸るための対価であり、身分が固定されていた封建時代とは異なり資本主義の現代は金で身分を買えるのだ、とかなんとか考えてみたりしながらたらふく食べてやった。食事はおいしかった。でも、ここでの滞在中に仕事のメールを片付けなければならず、、、やはりセレブにはなり切れず、所詮は労働者階級であることも実感する羽目に。
ラウンジからは飛行機が見えます。落ち着いたおしゃれな雰囲気で、2時間ほど滞在しましたが、あっという間に搭乗時刻になってしまいました。
バイバイ香港。
そして羽田へ帰国。
機内で、妻が「台湾楽しかったね。」という。いや違う香港です。まったくもう、、、と思っていたところ、羽田着陸時にCAがやってくれました。なんと彼女まで、「台湾からのフライトお疲れ様でした、、、」って、おいおい。乗客ドン引きですよ。
おしまい。