【資格試験・法律】勉強法【短答式・受かりたい・でも勉強してない】

先日、会社の後輩くんから、「豆腐職人さん、ぼくxx試験を受けようと思っているんですけど、どうやって勉強したらいいかわからないんです。豆腐職人さん受かってるじゃないですか。だから教えてほしいんです。」と聞かれました。

 

はい。確かに私は法律系の国家資格をいくつか持っています(弁護士ではないです。あしからず。)。それで聞きに来たんだと思います。

この試験のレベルはそんなに高いものではないので、「私xx試験受かってます(キリッ)」って言える場面なんて、その業界内で転職するときくらいしかないと思います。でも持っていないと仕事にならない場合もあるので、持っていたほうがいいというもの。まあ、要するに宅建みたいなもんですね。

で、その時に答えた内容を整理して、仕事の事情など何かしらの理由で法律系の資格試験を受けざるを得ない方々に、仕事をしながらでも受かる(私は仕事しながら受けて受かったので、多分汎用性はあると思います。)方法として公開しておこうかと思います。

 

試験勉強の方法としては、下の段階を順にやっていくのがストレスフリーかつ無駄な時間もかからないのではないかと思います。

1.過去問を解いてみる。

2.条文を読んでみる(できれば判例も)。

3.テキストを読んでみる。

4.過去問の選択肢別問題集を読んでみる。

5.もう一度、過去問を解いてみる。(そして1へ戻る。繰り返す。)

以下順に説明していきます。

 

1.過去問を解いてみる。

初めてで何もわからなくてもよいので、まずは過去問を解きます。

解けないのであれば、眺めます。読みます。

苦痛を感じるかもしれませんが、最後まで一度は読みます。

回答はまだ見ません。

これによって、自分が今の時点で合格最低ラインからどれだけの距離があるのかを体験します。

この儀式をしてから、回答を読みます。

もっとも、この段階で回答を理解しようとする必要はありません。眺める程度でも構いません。

この段階は、例えるならばサッカーの日本代表戦をテレビで見ているようなものです。ああ、こういうものなんだな、と。この時点では、オフサイドなどの細かいルールを知らなくてよいのです。

この段階で解く(読む)過去問は、直前年度のものでよいです。

ここで、直前年度のものは本番の前に自力で解きたいからあえて残しておく、という人もいるでしょう。それならそれでもかまいません。でも、本番直前に解いて合格最低点に満たなかったらショックだと思いますし、そもそもその年度の過去問とそれに関連する分野の学習を本番直前まで何もできないことにもつながりかねないので、あえて残しておくことにそこまでのメリットはなさそうに思っています。それだったら、模試を受けるなり、ぶっつけ本番にしてしまったりしたほうが良いような気がします。というか、この方法で勉強を進めると、過去問を解くことを何度も繰り返すわけですから、そのうち時間配分などもわかってきます。

時間配分の関係から、できれば試験時間と同じ時間を確保してトライしたほうが良いと思いますが、その時間を捻出できないのであれば細切れの時間でちょくちょく進めたほうがよいです。働きながら受験するという前提では、細切れの時間しか入手できないからです。機会損失のほうがもったいないということです。

 

2.条文を読んでみる(できれば判例も)。

次に条文を読みます。六法で読むのが良いと思います。ネットでも読めますが、全体像がつかめていない状態では読みにくいと思います。民法などのメジャーな法律の場合は、判例六法で判例も読んでおきます。

最初の段階では、一言一句覚えようとしたり、理解しようとして無理をしてはいけません。どうせ最初は何もわかりません。ただ、全体の構造、章立て、判例の多い条文、少ない条文などを把握しておきます。地図を眺める作業に近いかもしれません。一読したら、もう一回くらい読んでもいいと思います。

 

3.テキストを読んでみる。

ここでテキストの出番です。まあ、人によっては2と3の順番を入れ替えてもよいかもしれません。でも、テキストはあくまで2を説明し理解させるためものもですので、まず2を知る必要があると思います。もっとも、知ってるけど全然わからない、というレベルでよいです。

テキストも、一読目は全体の概要をつかむようにざっと読みます。この作業で、法律の条文の全体像、章立てとテキストの全体像、章立てとがリンクしてくるので、なーんとなくわかってきます。最初はそのレベルで十分です。

 

4.過去問の選択肢別問題集を読んでみる。

次に、過去問の選択肢別の問題集を読みます。これは、法律系資格試験ならではのものなのですが、過去問の問題では、次のうち誤っている肢を選びなさいといったような聞き方がなされるので、その肢を当該法律の分野別に整理しなおして正誤を確認するような作りになっています。これも、ざっと読みます。正誤は瞬間的にわからなければ、わからないとして回答を読みます。でも、この時点でも無理に覚える必要はありません。最初の段階では、ここが聞かれるんだな、こういう形で問題に出してくるんだな。こういう概念があるんだな。この条文とあの条文とでこう違うんだな、とかを何となくわかっていくようなイメージで十分です。

なお、この作業を、選択肢別問題集ではなく、分野別の過去問問題集で行っても構いません。もっとも、分野別過去問問題集のほうが難易度は高いので、心のハードルが上がってしまいます。なので、この1~5の作業を2周くらいしてから分野別過去問に取り掛かってもよいと思います。

 

5.もう一度、過去問を解いてみる。(そして1へ戻る。繰り返す。)

さて、ここでもう一回、過去問を解きます。そうすると、最初に解いた時より、意味が分かっているはずです。前回との差分、それが自分の成長ということになります。そして、回答も読んだら、また1に戻ります。これを試験まで時間のある限り繰り返します。

 

こんな感じで、繰り返しつつ先に進んでいくというイメージです。

法学部生向けの教科書(基本書と呼ばれたりもします)や判例集を3.のテキストとして使ってもよいでしょう。1~5を繰り返す中で読んでいけばいいのです。山口さんの「7回読み」なんていって、一冊の本をひたすら繰り返して読むというのも効果はありますが、1~5を繰り返す中で7回読んでもいいのではないでしょうか。結局、理解できる事項はその周辺事項をどれだけ理解しているかで決まります。ですので、そのテキストの内部で理解が完結するように書かれている事項であればそのテキストだけを繰り返し読むことで理解できますが、テキスト外の事項を知っていないと理解できない事項も少なからずあるはずです。話がそれますが、大学受験の世界で、現代文の問題は出題された文章の中に回答が必ずある、とか言いますが、あれは厳密に言ったら嘘です。文章の中の記載内容や論理以外に、文章の外にある知識も総動員するからこそ、文章の中に回答になりそうな記載を発見することができるのです。読解という行為は、自らの知識経験を総動員して行う推論作業です。なので、繰り返しつつ、徐々にその範囲を広げていく、そんなイメージで学習することが重要だと思っています。

 

今回は法律系の資格試験で主に選択肢の出題方式のものについての勉強法として記載しましたが、司法試験などの論述を主体とする試験の場合も、同じような手順でよいのではないかと思っています。

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